占い師は水晶球で世界を覗き見る
結ばれる像は偶然あるいは必定のさだめ
当たるも当たらぬも、全ては天命赴くままに。
己を知り、
知識は
過去を変えることはできず、
されど、未来ならば自らの手で変えられましょう。
燦然と輝けるは
意味もなく音節のみを復唱する子供達
古きを尊び進歩を拒む旧態依然の
そこに
光明あるところに
人倫の
祈祷師は真言唱え
語り手はかくも騙る、「全ては星の巡り。人の世を生きるうえで、定めに従うことこそ幸福」
従うも離れるも全ては人心赴くままに。
「所詮は妄言」
【
「祭のお囃子。麓の村で子供達が練習している音が、風に乗ってここまで届くのでしょう。もうすぐ夏祭りですからね。
私は一年の中で今の時期が一番好きなのですよ。
理由……ですか。夏に生まれ、名前に夏の字を持つ。確かにそれもありますが
この湿った空気が、なんとも心地よくて好きなのです。」
祭儀の狂騒、宴も
思い出の中に
そして夏が来る
綴られる風説は
正気など誰も保証してはくれない
記された内容と示し合わせよ
境界の
社会通念は共同幻想
"そうあれかし"と刻まれる
【語り部のあとがき】
「今となっては、彼の
今際に浮かぶは眩惑の灯火 あるいは夏の日の思い出」
「六根清浄」
「神を欺け」
山上下 夏一(ヤマガミ ナツイチ)
山奥の村に生まれた青年、8月18日生まれの24歳。
小学校教師。直近の渦音P楽曲に出てくる男性キャラでは貴重な、変な異能などを特に持たないごく普通の人間枠。
林業を生業とする家の長男だが、幼少期に左腕を事故で失ったため家業は弟が継いでいる。
一人称は「私」。普段は和服で義手をつけているのであまり目立たない、つまり隻腕として描く難易度が高い。
閉鎖的な山奥の集落/長男と次男・跡継ぎか否かの関係が捻れた/その他本人の持つ倫理観などの複合的な要因が重なった結果である。彼が家に放った火は村一帯を焼き尽くした。
秋二(あきじ)
夏一の弟。20歳。
兄にかわって「家の跡継ぎ」に据えられる。
18歳で照子と結婚するが、夫婦関係はあまりよくなかった。
ある日口論の最中に照子を突き飛ばし、当たりどころの悪かった彼女はそのまま命を落とす。それ自体は本当に偶発的な事故だった。
はる子(はるこ)
末っこ。生まれつき病弱で、兄22/弟18のときに肺炎を拗らせて亡くなる。享年16
照子(しょうこ)
秋二の妻。20歳。
夏一のことを好いていたが、「家の主に嫁ぐ」ことを決められていた。
山上下(やまがみ)は地形姓の一種。
■県■■郡■■■町、「山上下村」周辺に数世帯あった記録が残っているが、既に途絶えている。元々は「山上」とだけ書いて「やまがみ」だったと推測される。幽霊名字です。
夏一の父は代々続く炭窯の■代目 絵に描いたような亭主関白。祖父の代で成された財を相続する。
母は麓の村から嫁に来た。見合い結婚。
渦音さんとピコやん
恒例となりつつある、語り手ポジションです。
渦音さんが地の文、ピコやんが夏一さんの心情って感じのパート割。
怪文書の方では「占い師」「祈祷師」(民間信仰の「ゴミソ」に類するものです。作中ではまとめて祈祷師[カミサマ]と称されている)としてカメオ出演しています。夏一さんは今際の際に祈祷師の姿を見ていますが、はたして?
アングラコンピには歌詞とあわせて「楽曲コメント」が掲載されています。
コンピのXFDが公開されたぐらいのタイミングで「山上下家と夏一さんのバックストーリーがあるんですがあまりにも長く流石に曲コメと一緒に送るのは憚られた。そのうち(フル尺の動画とかのタイミング)どっかで出せたらいいですね。結論から言うと村が燃えます。」と言っていたものがこちらになります。