終着駅心中仮名手本

WORDS/MUSIC:FMIC7743/UZNE-P
VOCAL:H-∩-P[Haunted-United-Procedure] / utatane piko vs uzne hito
「しゅうちゃくえき しんじゅうかなてほん」。
普通に二人揃って生還しましたね。濤声轟く岬にての本編です。

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比翼連理の漂着流浪録(pixivへのリンクです)

  • (一) (二) (三) (終)
  • 歌詞

    凡例:美結子ミカ星良セラ●ハモリパート

    色のない空が果てなく続く
    「海を見たことがないの」 / 「海を見たことがない」のならば二人で見に行こう

    繰り返すダイアグラム "いつもの駅"を乗り越して
    夕暮れの港町、終着駅
    鮮やかな斜陽を背に受けて降り立つ

    美しき故郷ふるさとの街並みはわたしを閉じ込める檻にすぎない
    水底に沈む錆びた錨は僕達を縛る鎖に等しい」
    逸る足取り抑えて列車へ人の流れに逆らって駆け込んだ」
    片道切符の旅の行先は誰も僕らを知らない港町」

    色のない海の狭間に浮かぶ
    「在りし日の思い出わたしにさよならしましょう」
    風に飛ばされた白い帽子が
    泡沫うたかたとなり波間に消えてゆく

    考えてみたらおかしな話ね。『好きだから好き』じゃいけないのかしら?
    罪の報いは死というけれども、それを決めるのはどこの誰かしら。

    赤と白のいとを手繰り寄せ、解けないように二重はたえに結んで
    沈みかけた船を飛び降りて
    宵の明星
    導かれる儘に

    比翼の鳥となり日輪に羽ばたいて連理の枝を広げ旅路は続くだろう

    吹き荒ぶ吹雪も、打ち付ける荒波も、」 「わたしたちのことを止められやしないわ」 / 「僕達の歩みを止められやしないさ」

    東雲の岬に濤声が轟く
    新たなる旅路を朝焼けが照らし出す

    あらすじ

    あらすじ:先ずは逃げ出さねばならない。
    「それは彼女を閉じ込める檻にすぎない。」
    「それはわたしたちを繋いで縛る鎖でしかないわ。」
    逃げ出して、それから、どうしよう?
    列車に揺られ辿り着いたのは海に面した小さな村。そこで不思議な青年と、彼の付き従う少女に出会った。
    青年と少女、伝道師とかみさま、比翼連理の漂着流浪録。縁の糸を手繰り寄せて、望む未来を勝ち取る為に。

    登場人物紹介

    "かみさま"の少女

    「水咲(ミサキ)」と呼ばれ、望月村に逗留している"旅の占い師"のそばで目撃される。

    "伝道師"の青年

    「宴(ウタゲ)」を名乗り、"旅の占い師"として望月村に逗留している青年。

    美結子(みゆこ)と星良(せら)

    駆け落ちカップル。
    とある冬の日にふたりで列車に乗り望月村へ。
    望まぬ婚姻と未来のない家から逃れるため、義母の遺言を成就するため、そして「わたしたち/僕ら」の愛のために。

    美結子
    長い黒髪を下二つ結びにしている女性。
    自分の名前があまり気に入ってない(苗字と合わせると長いので……)ので親しい相手には「ミカ」と呼ばせている。
    とあるムラの名士である「白上森(しらかみもり)家」の娘。彼女のほかにきょうだいはなく、婿養子をとることを決められていた。
    家の名、当主の地位、結婚相手とされた人物の品格、そして円満な夫婦として振る舞う両親の仲。そのすべてが虚にすぎないことを、彼女は知っている。

    星良
    22歳。灰色の髪に分厚い眼鏡をかけた男性。若白髪ではなく生まれつきの髪色。常に冷静沈着であるように振る舞う。
    父親を幼少期に亡くし、母親と二人暮らし。ムラで生活雑貨店「赤根(せきね)商店」を営んでいた。
    その母も病に倒れ、死の間際に「実の子供ではない」ことを知らされる。血の繋がりは無くとも大事な家族に変わりはない。母の遺言は「家に縛られることなく、おまえの好きなようにやって」

    神社の前にお守り袋とともに捨てられていたのを拾われる。両親とは血が繋がっていない。
    「縁の"紐"」が見える能力を持つ。奇しくも、彼の捨てられていた神社にまつられていたのは菊理媛神(ククリヒメノカミ)/白山権現、縁結びの神である。

    舞台紹介

    ムラ:
    より厳密に言うと如来川市の大字。山間部の農業地帯。主要産物はコメ。
    地理的な関係で如来川市中心部よりも隣のマチのほうが近い。

    如来川にょらいがわ市:
    人口数万人の地方都市。主力産業は農業と観光資源。
    公立小学校4(うち分校1)・公立中学校2・県立高等学校1・私立高等学校1。大学なし。
    隣接するマチで就職する若者が多い。

    マチ:
    如来川市と隣接する市。「ムラ」とは峠一つ越える距離。
    駅前商店街は学生たちの遊び場である。

    如月きさらぎ線:
    如来川市(「ムラ」とは別の村落に始発駅がある)と望月村を結ぶ鉄道路線。

    望月もうげつ村:
    日本海に面した小さな漁村。
    港に市場が隣接している。温泉があり夏の気温が低いため別荘地としてそこそこ人気がある。ほか、民宿が数軒。
    断崖絶壁「轟崎」は夕陽の名所。
    作中(197*年/昭和5*年)では独立した村だが、のちに平成の大合併で近隣町村と合併した町になっている。

    雑な余談

    ・ちなみにBPMは濤声・終着駅で共にBPM178です。
    ・ミカ:イメージカラーは白。朱に交われば赤くなる。初期設定では「ユイ」という名前でしたがこれは以前なんかのソシャゲのキャラコンに出して落ちたキャラの名前です。なのでそれを継承して初期設定では「縁結びの神」という設定だったんですが最終的に人間と人間のカップリングになった。表向きは「母親が美子(よしこ)だった」みたいな雑な理由とでもしておこう。
    ・セラ:イメージカラーは赤。万緑叢中紅一点(セラは男性ですが)。名前の由来はセラフィムなんですが普通の異能持ち人間です。
    ・青年と少女/ウタゲとミサキ:前回(1st-1gnition)が「ウタ」だったので今回もそれを継承しつつ。かみさまの少女は割と毎回関係なさそうなありそうな文字列の名前になる。

    望月(もうげつ)という読みにも実は元ネタがあって、青森県北津軽郡中泊町(なかどまりまち)大字田茂木(たもぎ)望月(もうげつ)です。地名辞典をめくっていたらいい感じの特殊なよみがあったので拝借してきました。日本海側ではありますが海に面しているわけではない