pomegranate raspberry

作詞・作曲・アレンジ:FMIC7743/渦音P
うた:歌手音ピコと健音テイ
トランペット:香味ラッパ
曲のジャンルはジャズ寄りの歌謡ロックですが物語のジャンルはなんだろう。性癖(広義)五段重です。概ね平常運転です。

SoundCloud

歌詞

光が強まるほど宵闇は深く染まり
眠らない街明かりが色濃く縁取る
明滅する蛍光灯は歪な幻影[ゆめ]を奏でる
曖昧な境界は夜露に溶けて

良い子の君にごほうびの飴玉をあげよう
舌先で転がして溶かしてる[]にありとあらゆる嫌なこと何もかもを忘れて
噛み砕いて飲み込めば秘密は君のもの

ノイズ混じりのラジオが野暮な現実を宣う
耳を塞いで手をとって、その先を見せて

「言葉に数多の意味を乗せて、それでも全ては伝わらないの
削ぎ落とされた意味をすくってあなたの心に注ぎ込むの」

人間[ひと]は誰も胸の内に昏い欲を抱える
相対する概念は幾重に絡まって
隠された願いも、秘められた想いも認めてしまえば楽になれるさ

狂乱醒めやらぬまま、歌声は熱を帯びて
境界で手をとって、望みを囁いて

「舌先に残る罪の甘さ 戻れないことはわかっているわ」
秘密を明かして、暗幕を剥いで。
すべてを終わらす災厄は其処に。

此の夜はすべてが夢幻[ゆめまぼろし]、明けることのない極夜の薄明[はくみょう]
あなたの本当の願いを聞かせて

最後の夜を始めましょう

あらすじ

繋ぎ止めるためのAlf Laylah wa Laylah[千と一夜の物語]
物語は主観によって語られ、物語を綴る。
それらはすべてが真であり偽でもある。
そして、語られた物語は、聞き手の血肉となり新たな物語を生み出す。

登場人物紹介

「わたし」
██さい 女性 黒髪メガネで見た目通り生真面目な女の子
自分の将来、ひいては世界そのものに絶望し歩道橋から身を投げようとしたところを"彼"に拾われる
物語は彼女の一人称視点とさまざまな資料によって語られる
彼女もまた能力の影響下にある。
"彼"からもらった飴によって「歌によって認識を操作する」能力を得た。それとひきかえに人間としての寿命をロストしている。

"彼"
「わたし」を拾った青年。黒髪ロン毛黒目にロングコート、物腰は柔らかく丁寧な口調だがどこからどうみても胡散臭い。
信頼できない語り部。今回は黒髪黒目参考資料)だが、見る人によって姿が変わる性質を持ち、「わたし」には"自分より少し年上っぽい男"に見えている。
認識操作系能力をもって雑に精神干渉をはたらく。


ピコやんとテイ嬢:流しのボーカリストコンビ。ジャズバーで歌う。
実際の所、ストーリーには直接絡んできません。彼ら彼女らもまた語り部であるということ。

テキストログ

ほぼすべてネタバレです。

・これはなんですか?
物語の物語、物語を語る物語。メタをやる回。いつものアンリミテッド余談をやっていきましょう。

・二重底のカバーストーリー
元々■年前ぐらいに「おしゃれな曲で人類をほろぼしたいなー」という"二重底のカバーストーリー"を思いついたところまではいいんですが、なんやかんやでほったらかされていたものがふとしたきっかけで雪だるま式に完成に至る。
そして動画を作ってたら何故か新規で3Dモデルを作り始めるなど多岐に渡る。
結論から言うと当時書いてた部分のうち「最後の夜を始めましょう」のワンフレーズ以外は全ボツになりました。そういうときもあります。
とはいえ普段の渦音Pに比べるとまあまあ相対的にセンシティブですね。
青年と少女、秋の夜長、廃国道沿いのお城みたいなたてもの、ミーム災害、その他各種を混ぜて飴でコーティングして完成です。

・国道沿いのお城みたいなたてものってなんですか
文脈から[お察しください]。と言いつつ、動画中で舞台となっているのはなんですが……。たいへん身もふたもない話をすると、"廃墟"は私の趣味。
???「ハレとケの交雑するが故に取り込まれたのでしょうが、"物語が生まれ、物語を授かる場所"のメタファーとしては俗なのでは。彼女は本来どういう場であったのか知ることは無かったようですが。」

・演出まわりの元ネタのひとつとして「Local58」があります
アメリカのローカルテレビ局で起こった放送事故……という体裁のフェイク動画シリーズです。Weather Service (天気予報)が好き。
ホラー・ブラックジョーク要素が強めということもあって検索してはいけない言葉wiki入りしてる……

これはなんですか?
読んでも読まなくてもいい余談ログです。