鏖殺のロザリィ

作詞作曲アレンジその他雑用:FMIC7743/渦音P
うた:渦音ヒト
「みなごろしのロザリィ」。渦音さんの誕生日恒例「やりたい放題」枠です。
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物語
森の奥 ひとりそこにいる娘
「終わらない夢で遊びましょう」

その檻は 悪夢を逃さぬためのもの
その檻は 物語[かのじょ]を留めるためのもの

数えきれない罪の数だけ心の闇は深くなる

暗い森に火を放て 真実を照らすために
全てを灰に還す 鏖殺[みなごろし]のロザリィ

館の廊下 月明かりが照らす
返り血を浴びた漆黒のドレス

終わらない夢の数だけ増える物語の結末
それは【████████████████████】(塗りつぶされて読むことができない)

黒い闇を切り裂いて踊れ 真実となるために
全てはただの悪夢 「本当にそうかしら?」

檻から放たれた悪夢が微笑む
封じられた物語が再び語られる
結末を捻じ曲げて物語[かのじょ]はそこにいる
そして幕が開く

暗い森に火を放て 真実を照らすために
全てを灰に還す 鏖殺[みなごろし]のロザリィ
登場人物紹介
ロザリィ:娘のかたちをした怪異。情報生物というべきかもしれないもの。
     黒薔薇は黒い色素を持っているわけではなく赤い色素が濃いため赤黒く見える(トリビア)。
渦音さん:うたのおにいさん……おねえさん……どっちでもないな……うたのひとです。今回は語り部的なポジション。
あらすじ
「昔々あるところに」で始まり、「めでたしめでたし」で終わる
古今東西硬軟聖俗遍く物語の主人公あるいは端役の少女達。
彼女等を摘み取り束ねた真紅の花束はやがて語り継がれることを重ねて「物語の少女」というひとつの存在となる。
それは虚構[ものがたり]でありながら現実世界に小さな、しかし大きな影響を及ぼすもの。
幾多の偶然とゆらぎが重なり、黒い森を焼きつくして、果たして少女は顕現する。虚構[ものがたり]の世界から、この現実世界へ。
暗い森に火を放て。真実を照らすために。
黒い闇を切り裂いて踊れ。真実となるために。

その本は大規模な山火事で丸焼けとなった森で見つかった。
見たところ焼け焦げどころか全くの無傷の、それでいて時代がかった、百科事典ぐらいの分厚い本だ。
赤みがかった革で装丁された表紙には、バラの焼き印が入っている他は何も書かれていない。
慎重にページをめくり、中を検める。童話のような雰囲気の挿絵と……少なくとも英語ではない言語で書かれているらしい文章が見て取れる。
どの言語かは後々調べることにして数ページめくっていると、挿絵の中の人間と思われるキャラクターが全て黒ベタで描かれていることに気がついた。そういう演出なのだろう。とにかく、内容がわからないことには、この本が何であるかは調べようがない。
私は一気に(この本が左綴じで合っているなら、おそらく)一番最後のページを開く。
そのページは、全てが黒で塗り潰されていた。

その夜、不思議な夢を見た。
少女の影が笑っている。闇の中に、赤い笑顔が浮かんでいる。
少女は言う。
「終わらない夢で遊びましょう」
それだけ言うと、少女の影は、炎と共に消え去っていった。
ネタバレ:ロザリィの正体:
「あらすじ」にあるとおり「物語の登場人物の少女」が寄り集まったものです。すごいいまさらですがそこはかとなくナーサリー・ライムちゃん(Fate/EXTRA等)を彷彿とさせる感じがする……キーアイテムが本だし……

王子様と結ばれてハッピーエンドを迎えたヒロインから泡となって消えた悲劇の姫、通りすがりのモブまでありとあらゆるものがひとつの存在になってしまったことによって「現実を書き換える」能力を得た情報生物。さらに「焚書」の概念を取り込むことによって「世界を焼いて自分好みの世界に作り変える」ことができるようになったのです。
彼女の願いは「自分が主人公の物語を紡ぐ」。誰かの考えたお話ではなく、私の好きなように歩くこと。
ところが「登場人物の少女」たちの自我が融合した結果「自分が主人公になる」だけが残って「どんなお話にするのか」が消えてしまった。その結果、現実世界に火を放つ少女のかたちをした怪奇現象となってしまったのでした。めでたしめでたくもなし。

余談:「本」は元々はごく普通の童話全集。彼女の焔に焼かれ、物語と現実の境界を侵食する扉となったもの。「ロザリィ」の名は便宜上つけられたものだが、由来は不明。
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